膠原病の炎症反応とは?
ここでは、「膠原病の炎症反応」についてお話します。
膠原病を疑う場合、
まず行う検査が血液検査です。
この血液検査で調べるものが、
よく耳にする白血球・赤血球・血小板などの
血液の血球成分検査です。
また、他にも炎症反応物質や
自己抗体の有無なども一緒に検査をしています。
しかし、炎症反応と言われても、
よく分からないのではないでしょうか。
そこで今回は、膠原病の
炎症反応について紹介します。
炎症反応物質とは
炎症反応物質とは、体内で
炎症が起こるときに増加するものです。
その代表が、CPRと血沈です。
CPRは、腎臓で作られる物質で、
正常は0.5mg/dl以下です。
血沈は、血液を固まらないように採取してきて、
細いガラス管の中に入れて、
細胞が下に落ちていく速さを調べるものです。
炎症のある血液の場合、
この細胞の落ち方が速くなります。
通常の速さは、1時間に20mm以下です。
膠原病は、慢性の炎症反応疾患のため、
これらの炎症反応物質の値が高く現われるのです。
関節リウマチの場合
膠原病の中でも、関節リウマチの場合は、
炎症反応物質の値がはっきりと現われます。
CPRは高値を示し、
時に5.0以上になることもあります。
血沈も50mm/時間以上と早くなることが多いです。
SLE(全身性エステマトーデス)の場合
SLEの場合は、
血沈は早くなることが多いです。
一方で、普通CPRの数値は陰性になります。
もしSLEでCPRの値が陽性に
出ている場合は、感染症の合併に注意が必要です。
一般的に膠原病は、慢性炎症のために
血沈は早くなりますが、貧血を起こしている時も
血沈が早くなるので、診断には注意が必要となります。
また、CPRは多発性筋炎やベーチェット病、
血管炎症候群などの活動期では陽性になりますが、
強皮症やシェーグレン症候群、
MCTDなどでは通常陰性です。
膠原病の検査では、このような
炎症反応の物質を検査しています。
しかし、CPRという物質は、
疾患によっては陽性を示さないこともあるのです。
陰性だからと言って、必ずしも
安心できるわけではないことを、
覚えておく必要があります。
膠原病は、診断が難しい病気です。
しっかりと検査を行い、医師の診断を
受け止められるようにしましょうね。