膠原病の血液検査で抗核抗体とは?

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ここでは、「膠原病の血液検査で抗核抗体」についてお話します。

 

風邪が長引くなど、いつもとは何か違う
体調不良を感じた時、病院を受診しますよね。

 

そこで膠原病が疑われる時には
まず、血液検査を行います。

 

難病とされる膠原病に、もしかしたら
自分がかかってしまったのかもしれない、
と考えると、検査の結果がとても気になるところです。

 

しかし、結果をみても普段耳にしない用語と
数値を見ても、ピンとこないものです。

 

そこで今回は、膠原病の血液検査で調べる項目の1つ、
抗核抗体というものはどのような物なのか、
数値はどのくらいなのかを紹介します。

 

抗核抗体とは

 

自分の身体を異物と誤認して生じる抗体を、

 

「自己抗体」

 

といいます。

 

膠原病になると、血液中にこの自己抗体の
代表格である「抗核抗体」が出てくるのです。

 

この抗核抗体は、全身性の多臓器疾患である
全身性エリテマトーテスなどの膠原病を
スクリーニング(ふるい分け)するための項目です。

 

最近では不妊症においても
ルーチン検査の1つとなっています。

 

また、抗核抗体は具体的な抗体値ではありません。
陽性限界となる希釈倍率によって表示されるものなのです。

 

膠原病の抗核抗体の値

 

関節性リウマチや強皮症、
シェーグレン症候群などの膠原病疾患である時は、
抗核抗体の値は何度でも「陽性」を示します。

 

また、膠原病以外でも、
慢性肝炎や慢性甲状腺炎であるときも
同じく陽性を示します。 

 

ただし、ふつう抗核抗体は40倍未満
とされているのですが、健康な人でも時には
80倍以上の結果がでることがあります。

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そのため、この結果のみで膠原病と
診断することはできないです。

 

特に症状がなければ、1年に1回の
検査で経過観察をしていきます。

 

もし160倍以上の値が出た場合には、
精密検査が必要となるので注意が必要です。

 

血液検査で他に分かること

 

血液検査では、抗核抗体の値だけでなく、
RAテストという検査も行います。

 

RAテストとは、膠原病の中で最も多い
関節リウマチを診断するため、
血清中のリウマチ因子の有無を調べる検査です。

 

検査結果は、陰性、弱陽性、陽性の
3段階で、陰性が正常です。

 

RAテストで陽性が出た場合は、
自己免疫異常の素因があると考えられます。

 

ただし、症状が全くない人でも
陽性がでることがあるので、
RAテストだけで診断することはできません。

 

また、肝硬変や感染症、ガンなどでも
陽性がでることがあります。

 

弱陽性の場合は、再検査をするほかに
別の検査も行って、組み合わせて判断をします。

 

RAテストの値が高値の場合は、
リウマチ膠原病専門医を受診して、
ほかの病気の可能性も合わせた追加検査が必要となります。

 

このように、膠原病の血液検査では、
抗核抗体という自己抗体の値を調べて判断をするのです。

 

しかし、この値だけでは膠原病とは診断できません。

 

他の検査、結果とあわせて
総合しての診断となります。

 

そのため、診断がでるのに
時間を要する場合もあるのです。

 

このことを心にとめて、
診断結果を聞くようにしてくださいね!

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