膠原病の平均寿命とは？
ここでは、「膠原病の平均寿命」
についてお話します。
膠原病は、難病と言われる疾患です。
完治が難しい病気なので、
おのずと寿命も短いイメージが
あるのではないでしょうか？
もし自分が膠原病を患った場合、
残す寿命が短いとなれば
平常心ではいられなくなりますよね。
そこで今回は、膠原病の
平均寿命について紹介します。
膠原病の原因
膠原病とは、本来自分を守るべき
免疫システムが異常をきたし、
全身の結合組織を攻撃してしまう病気です。
そのため、慢性の炎症が
身体の様々な部分に起こります。
皮膚、関節、筋肉などに痛みを伴う
症状がでる一連の疾患をまとめて、
膠原病と呼ぶのです。
膠原病の原因は不明です。
しかし、膠原病患者の血縁者に
膠原病を患う確率が高く、
一卵性双生児でも必ずしも
双方に発症するわけではありません。
この事から、遺伝的要因と環境的要因が
複合して発症に至ると
考えられているのです。
全身性エリテマトーデスの
研究による発症のきっかけとしては
・感染症
・強い紫外線
・外傷
・外科手術
・妊娠
・出産
などが挙げられています。
高カロリー・高脂肪の食事を
する人の発症率も高い傾向にあります。
また男性よりも女性に多いことから、
女性ホルモンも発症に関係が
あるのではないか？
と考えられています。
膠原病の寿命
膠原病の治療は、
まだ治療法が確立していません。
一方で、ステロイド剤を治療に
使用することは、とても効果的と
いう事が分かっています。
「膠原病 寿命 」
でもお話したように、ステロイド剤の
登場前の、膠原病の５年生存率は
２０％ほどでした。
しかし、ステロイド剤を使用することで
寿命は延び、今では５年生存率は
９０％を超えるようになったのです。
とは言っても、全ての患者が必ず
長期生存可能と言うわけではありません。
特に、
・腎臓
・肺
・心臓
・中枢神経
などの障害がある場合は、
どの程度障害があるかによって変わってきます。
これらの障害が重篤な場合は、
予後があまりよくなく生存率も
低くなってしまうのです。
関節リウマチの寿命
オランダの研究チームが亡くなる統計を
基に分析をした結果、
関節リウマチ患者の寿命は、
一般人口と比べて短いと分かっています。
具体的には、男性では６．４年、
女性では８．８年も短くなるようです。
亡くなる原因としては、感染が
一般集団の４倍以上と顕著に多いです。
寿命が短くなる理由としては、
・関節リウマチ自体が
感染症にかかりやすい病気
・免疫抑制治療による感染が増える可能性
などが考えられます。
また、関節リウマチ自体による
亡くなる原因としては
・肺線維症
・頚部脊椎圧迫
・２次性アミロイドーシス
・血管炎
などが多いようです。
使用していた治療薬としては、
・非ステロイド系抗炎症薬
…患者の５０％が使用
・プレドニゾロン
・メトトレキサート
・ヒドロキシクロロキン
などが挙げられます。
このように、膠原病の平均寿命は
ステロイド剤の登場により
長くなっているのです。
一方で、障害の起こる部位や
疾患によっては、寿命が
短くなるものもあります。
疾患や症状に応じた適切な
治療を行っていくことが大切なのです。