膠原病で間質性肺炎の予後とは?

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ここでは、「膠原病で間質性肺炎の予後」
についてお話します。

 

膠原病は、本来ならば外界から
侵入する細菌やウイルスといった

 

病原体などから自分の身体を
守るはずの免疫システムに異常が起こり、

 

自らの身体を敵と誤認して
攻撃してしまうことによって起きる、
いくつかの自己免疫疾患の総称です。

 

代表的な疾患名をあげると、
関節リウマチ、
全身性エリテマトーデス(SLE)、

 

多発性筋炎/皮膚筋炎、
強皮症、結節性多発動脈炎、
シェーグレン症候群などがあります。

 

膠原病を発症すると、皮膚や関節、
腎臓や骨、筋肉などに変化が起きます。

 

この変化は肺にも起きることがあります。

 

この肺の変化を

 

「膠原病肺」

 

と呼んでいます。

 

この膠原病肺は間質性肺炎や
気道病変、胸膜病変など
いくつかの種類がありますが、

 

中でも発症の頻度が
高いのが間質性肺炎です。

 

この間質性肺炎と膠原病の
関係と、予後について、ご紹介します。

 

間質性肺炎とは

 

肺はぶどうの房に似た小さな
袋状の肺胞がたくさん集まって
できており、

 

そこで大気中のガスと
血液中のガスの交換を行う
役割を果たす臓器です。

 

一般的な肺炎は、気管支や肺胞と
呼ばれるガス交換の機能の器官が

 

炎症を起こし、風邪のような
症状があらわれます。

 

一方、間質性肺炎では、
肺胞を取り囲む組織(間質)に
炎症や損傷が起き、

 

組織が肥大し厚みも増してしまい
硬くなってしまいます。

 

そのため、酸素を取り込みにくくなり、
呼吸困難や空咳といった
症状があらわれます。

 

間質性肺炎を発症する原因は
いくつかあり、粉塵、アレルギー反応、

 

ウイルス感染、薬剤中毒、
放射線などがあげられます。

 

また、原因の中でも膠原病によって
おきる間質性肺炎を
膠原病肺と呼びます。

 

原因がよくわからない場合もあり、

 

「特発性間質性肺炎」

 

と呼ばれています。

 

この特発性間質性肺炎だと
思われていた人の中には

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後になって膠原病が見つかる
場合もあります。

 

膠原病における間質性肺炎と予後

 

膠原病においてはこの
間質性肺炎には注意が
必要であるとされています。

 

膠原病を原因とする間質性肺炎は

 

「膠原病性間質性肺炎」

 

と呼ばれます。

 

膠原病そのものの原因が
まだ解明されていないため、

 

膠原病性間質性肺炎もまた、
治療法が確立されていないのが現状です。

 

膠原病性間質性肺炎の治療は、
膠原病と同様にステロイド剤を

 

投与したり、免疫抑制剤が
用いられたりしています。

 

症状が悪化して呼吸困難の
場合には酸素吸入器が使用されます。

 

また、対症療法として、
咳を鎮める薬が
用いられることもあります。

 

こうした治療に対して、
症状が回復し、治療への
反応がよい場合は

 

予後がよく生存率も
高くなる傾向があります。

 

しかし、一方で治療に対する
反応が悪い場合は、

 

短期間で症状が急激に悪化し、
予後が不良となります。

 

治療に対する反応が良くも
悪くもなく、間質性肺炎が
慢性化した場合には、

 

ゆるやかに悪化する傾向を
たどることが多いといわれており、

 

10年以上の生存率が低くなります。

 

膠原病性間質性肺炎が
進行すると肺の構造が破壊されて

 

他の肺病変を引き起こすこともあり、
さらに治療が難しくなる場合もあります。

 

このように膠原病性間質性肺炎の
予後は決して良いとはいえません。

 

間質性肺炎は早めに治療をはじめ、
少しでも進行を遅らせることが重要です。

 

膠原病を患っている場合には
間質性肺炎に対して危機感を持ち、

 

多少なりともその兆候が見られた
場合には速やかに主治医に
相談することをおすすめします。

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