膠原病は遺伝性疾患なの?

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ここでは、「膠原病は遺伝性疾患なのか」
についてお話します。

 

膠原病は以前は原因不明の
病気とされていました。

 

しかし、最近は様々な研究が
活発に行われており、

 

少しずつその原因が
解明されつつあります。

 

一部の膠原病では、
遺伝子研究の発展により

 

遺伝的な要因もあると
考えられるようになってきました。

 

ただし、遺伝的な要因だけで
膠原病が発病するのではなく、

 

様々な要因がかかわっている
ことが分かっています。

 

こうした発病の原因と思われる
要素について、いくつかご紹介します。

 

遺伝的な要素

 

膠原病のひとつである
全身性エリテマトーデスでは、

 

一卵性の双生児の研究により、
遺伝的要素が関係している
と考えられています。

 

一卵性双生児のうちひとりが
全身性エリテマトーデスを発症したとき、

 

もうひとりも全身性エリテマトーデスを
発症する確率は約25%と報告されています。

 

また、同じく膠原病の
ひとつであるベーチェット病もまた、

 

発病に関して遺伝的な
要素が強いと言われています。

 

通常はHLA-B51という
ヒト白血球抗原が陽性となるのは

 

20%以下の人にしか
見られないのですが、

 

ベーチェット病の患者の場合は
50%ほどの高い確率で陽性で
あったという報告があります。

 

このように、どちらも遺伝的な
要素が関連するというのは
分かっていますが、遺伝子が

 

全く同じでも全員が同じ病気を
発症するわけではありません。

 

ですから、膠原病は遺伝性疾患ではなく、
遺伝も膠原病の発病原因
となるひとつの要素であり、

 

他にも遺伝以外の条件、
すなわち発病の原因となる
要素があると考えられています。

 

環境条件

 

膠原病の発病には、様々な
環境的な要因もあることが
分かっています。

 

風邪や胃腸炎などの
ウイルス感染症が引き金となる場合や、

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夏の強い紫外線や怪我などが
影響して発病する場合もあります。

 

急激なストレスや温度変化に
体がついていかずに
発病する場合もあります。

 

妊娠や出産もが契機となって
膠原病を発病することもあります。

 

また、このような膠原病発病の
契機となるような要因は、

 

膠原病を発症した人にとっては
症状を悪化させる要因ともなっています。

 

一方で、食事内容や
アルコールや喫煙といった生活習慣は

 

膠原病の発病には直接関係
しないと考えられています。

 

自己免疫機能の異常

 

膠原病は免疫機能の
異常が症状として特徴的です。

 

自分の身体の組織を
異物であると間違った
認識をして攻撃してしまう

 

「自己抗体」

 

が作られてしまう疾患を
自己免疫疾患と言います。

 

こうした自己抗体が作られる
原因はまだ解明されていません。

 

しかし、自己免疫疾患の
発症者には女性が多く、

 

中でも妊娠適齢期に
発病しやすいことが分かっているため、

 

女性ホルモンが
関係しているのではないかと
考えられています。

 

また、ホルモン以外の原因として、
ストレスがたまることで
免疫機能のバランスが崩れ、

 

さらにその状態で風邪などの体調不良が
引き金となって発病するのでは
ないかとも推測されています。

 

個々の体質

 

人はそれぞれ、先祖から
授かった体質を持ちます。

 

アルコールに強かったり、
代謝機能に富んでいたり、

 

骨がもろかったりなど、
人それぞれ色んな体質があります。

 

そうした体質の中に膠原病に
なりやすい体質もあると
考えられています。

 

膠原病は遺伝性疾患ではない
と考えられていますが、

 

こうした体質も膠原病になる
原因の一つの要素として
あげられています。

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