膠原病でインフルエンザ予防接種をしていいの?

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ここでは、「膠原病でインフルエンザ予防接種をしていいのか」
についてお話します。

 

膠原病はいくつかの疾患の総称であり、
それぞれの疾患により
症状や病態が異なります。

 

しかし、膠原病の共通の特徴として、
自己免疫機能の異常があります。

 

本来は自分の身体を守るためにある
免疫機能が、何らかの原因で異常を
起こしてしまい、自らの体の組織を

 

異物と勘違いしてしまい、
攻撃してしまうので、
臓器や組織を壊してしまいます。

 

この自己免疫機能の異常を
抑制する目的で、膠原病の治療には

 

免疫反応を抑える薬、
ステロイド薬が使用されることが
多くなっています。

 

ステロイド薬は抗炎症作用もあり、
膠原病の特徴的症状である関節や
臓器の炎症を抑えてもくれます。

 

しかしながら、免疫を抑制する
ということが逆に、外界からの

 

異物に対する免疫をも抑制する
ことにつながってしまっています。

 

私たちの身の回りには、
ウイルスや細菌がいて、
感染症を引き起こす原因となっています。

 

こうしたウイルスや細菌に対する免疫機能が、
免疫抑制薬によって
十分ではなくなってしまうのです。

 

インフルエンザと膠原病

 

膠原病患者さんは免疫抑制剤を
服用していることが多く、

 

ウイルスや細菌に対する免疫が
十分ではないため、感染症に
かかりやすい状態になっています。

 

インフルエンザは
重症化すると大変な病気です。

 

インフルエンザウイルスは、
初期は風邪と似た症状が出ます。

 

しかし通常の風邪と違ってそのウイルスは
鼻の粘膜で急速に増殖していきます。

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さらに全身にウイルスが回り、
時には肺炎、脳炎、心筋炎などの
重篤な合併症を引き起こすこともあります。

 

インフルエンザ予防接種の重要性

 

膠原病を発症していると、
疾患や免疫抑制剤により免疫力が
低下しているため、

 

インフルエンザウイルスに対して
十分に免疫機能が働きません。

 

そのため、膠原病患者には
インフルエンザが重症化しやすい
というリスクがあります。

 

こうした重症化を防いでくれるのが
インフルエンザ予防接種です。

 

インフルエンザ予防接種をすると、
インフルエンザのワクチンの
働きで体内に抗体をつくり、

 

インフルエンザウイルスが
体内に侵入してからの
増殖活動を抑制してくれます。

 

このワクチンによってできる抗体は
血中に存在するIgG抗体と
呼ばれるものです。

 

一方、ウイルスの侵入口である
鼻粘膜で働く抗体は、
IgA抗体と呼ばれますが、

 

現在のインフルエンザワクチンでは
IgA抗体はほとんど作られません。

 

ですから、インフルエンザワクチンは
初期の風邪のような症状が出て、

 

鼻粘膜でウイルスが増殖している時には
効果があまりみられず、

 

体内に入ってからの重症化を
防いでくれるものなのです。

 

インフルエンザにかからないように
予防接種をうつのではなく、

 

膠原病の合併症を引き起こす
重症化を防ぐため、

 

冬期のインフルエンザ流行気になる前に、
主治医と相談のうえで、

 

インフルエンザの予防接種を
しておくことをおすすめします。

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