膠原病は完治するの?
ここでは、「膠原病は完治するのか」
についてお話します。
膠原病は本来自分の身体を異物から
守るための働きをする
免疫機能に異常が生じ、
自らの身体の組織を異物とみなして
攻撃してしまい、
全身の関節や血管、
皮膚や筋肉、そして
内臓などに障害を起こす、
いくつかの疾患の総称です。
「膠原病を治す方法」でご紹介したように、
膠原病はまだ原因が特定されていません。
ですから、病気の原因を取り除き、
完治するということは難しいのが現状です。
しかし、膠原病は適切な治療によって、
発現する症状をコントロールし、
日常生活を普通に送ることが出来ます。
このように、疾患に対して
適切な治療が効果を発揮し、
疾患の症状が落ち着いた
状態を
「寛解」
といいます。
この寛解の状態を維持していけば、
日常生活を普通に送ること、
趣味を楽しんだり、
仕事をしたりすることも可能です。
膠原病の寛解に必要なこと
膠原病はいくつかの疾患の総称であり、
それぞれの疾患によって、
症状のあらわれる場所や病態は異なりますが、
多くの膠原病で早期の治療開始により、
その後の経過が良好となることが知られています。
膠原病の進行は、体のさまざまな部位への影響となり、
組織や臓器の破壊がより多く出現してしまいます。
また、免疫機能の異常により、
感染症への抵抗力も落ちてしまい、
ちょっとしたきっかけでの感染症を
合併してしまうことがあります。
ですから、膠原病の症状が軽く、
体内での組織破壊が進行しないうちに、
適切な治療を受けることが、症状を安定させ、
寛解という状態を続くことにつながります。
そして、症状が落ち着いた後は、
しっかりその状態を続けられるよう、
治療を根気よく続けていくことが必要となります。
膠原病の治療とは
原因がまだ解明されていない膠原病の
治療は、完治することを目的とせず、
寛解の状態を維持することが
目的となる治療となります。
以前は不治の病と言われていた膠原病ですが、
膠原病の診断技術や薬剤の研究が進歩しており、
従来よりも治療期間を長くかけずに病状を
コントロールして寛解状態にし、
さらにその状態を維持できる
期間も長くなってきています。
しかしながら、同じ病気でも
症状に個人差があるように、
寛解状態になるまでには、
人によってはある程度の
時間がかかることもあります。
寛解の状態が続く期間も同じで、
寛解が数年続く人もいれば、
数十年続く人もいます。
また、寛解状態が続いた後に、
再び膠原病の状態が
悪化してしまうことがあります。
これを
「再燃」
といい、膠原病では寛解と再燃を
繰り返すことが多いことが知られています。
しっかりと治療を続けていても
再燃することがあるのが膠原病です。
再燃したとしても、
それが前回発症した時よりも症状が軽ければ、
それは悪化ではなく、快方に向かっているのです。
再燃しても専門の医療機関での適切な
治療で元の状態に回復することがほとんどです。
寛解状態を維持するためには、適切な治療を続け、
必要な場合には入院などもしつつ、
膠原病の症状をコントロールすることが大事です。
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