膠原病は薬なしでも治るの?

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ここでは、「膠原病は薬なしでも治るのか」
についてお話します。

 

膠原病の治療において、
炎症を抑える薬である
ステロイド剤は欠かせないものです。

 

しかしながら、ステロイド剤には
副作用があり、治療で使われる際には
常に注意が必要とされています。

 

「ステロイドの歴史は副作用との戦いの歴史」

 

とも言われるほど、
副作用はステロイド剤の

 

使用とともに医療関係者
によって研究されてきました。

 

そこで、膠原病の治療とステロイド剤の
使用の歴史についてご紹介します。

 

ステロイド剤と膠原病の歴史

 

ステロイド剤が発見され開発された当初には、
関節リウマチの特効薬として
その抗炎症効果に大きな注目が寄せられ、

 

1950年にはノーベル賞が発見者および
抽出者に対して授与されるというように、
素晴らしいものとされていました。

 

ステロイド剤の効果は、
ニューヨークタイムズの一面に

 

「関節リウマチに悩む13歳の少女に投与され、
翌日には少女がベッドの
脇で踊れるほどに回復した奇跡の薬」

 

として騒がれたほどです。

 

この当時は

 

「ステロイドはもともと
人体にあった成分なのだから、
重篤な副作用はあまりないだろう」

 

と考えられていました。

 

しかし、実際にはさまざまな強い
副作用があることが分かってきました。

 

そうしてステロイドが治療から
遠ざけられていた時期もありました。

 

その後、ステロイド剤は確かに
重篤な副作用があるものの、

 

医師や薬剤師の細心の注意の元で、
適切に使用すればいいと
認識されるようになりました。

 

全身性エリテマトーデスなどの
膠原病の治療においては、

 

ステロイド剤は欠かせないものである
と考えられるようになり、

 

大量に使用される中で、
多くの研究が進んできました。

 

そうして現在では、ステロイド剤の
副作用を最小限にとどめるよう、
治療の過程で努力されるようになっています。

 

いまだ発病の原因が不明な膠原病は、
完治が難しいのが現状です。

 

しかし、医療の技術や薬剤の研究が進み、
新しい薬剤が導入されたり、
今まで使われていた薬剤についても

 

容量や用法を変更したりといった
膠原病治療の進歩へとつながっています。

 

現在の膠原病の治療とは、
症状が落ち着いた状態を続く「寛解」を目指して
ステロイド剤など薬剤の量を減らしていくことです。

 

では、膠原病の治療の中で、
どのようにステロイド剤を減らしていくのか
ご紹介します。

 

膠原病治療におけるステロイド剤の減量

 

膠原病 ステロイド 量

 

でご紹介したように、
初期段階で十分な量の
ステロイド剤の投与により

 

症状を抑え込むことが、
その後の治療の経過を左右します。

 

膠原病の発病の初期に症状を
悪化させないことが重要なのです。

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そのため、初期のステロイド剤の投与量は、
膠原病の種類や症状
などにより多少異なりますが、

 

病態を抑え込むのに
必要かつ十分な量が用いられます。

 

多くの膠原病において、
初期のステロイド剤投与は大量となり、
だいたい20〜60mg/日が投与されます。

 

症状が強く出ている時期には
ステロイド剤を増量し、

 

効果が出て症状が落ち着いてきたら
徐々に減量していきます。

 

減量のスピードは投与量が
少なくなるにつれて
ゆっくりと、慎重に行われます。

 

寛解とよばれる、症状が落ち着いて
普通の生活を送ることができるくらいに

 

症状をコントロールおよび
維持できる状態では、

 

ステロイド剤は維持量の投与となり、
かなり減量されることになります。

 

初期投与から維持量の投与まで減量するには、
通常半年から1年かかるといわれています。

 

ステロイド剤の長期投与は、
体内でステロイドをつくる
副腎機能の低下を招きます。

 

ですから、ステロイド剤の
減量には時間がかかるのです。

 

副腎機能が低下した状態で
ステロイドをやめて、

 

薬なしの状態にしてしまうと、
体内のステロイドが不足し、

 

症状が悪化してしまう危険性が
あることを理解しましょう。

 

膠原病の治療ではほとんどの場合
ステロイド剤を使用することとなります。

 

しかし、膠原病の中でも
関節リウマチの治療においては、
生物学的製剤など新薬の研究が進み、

 

病態のコントロールや
関節の破壊進行を阻止および
身体機能の維持が可能となってきました。

 

症状が改善し、寛解状態が続く中で、
ステロイド剤やリウマチ薬などの薬なしでも

 

その状態を維持し、症状の再発が
みられないケースも出てきています。

 

副作用が強いとされるステロイド剤ですが、
日常生活において感染症の
予防や体調管理に気を付けて、

 

症状を悪化させることなく、
寛解の状態を続けることで、

 

減量していくことは可能ですので、
医師と相談しながら治療を進めていきましょう。

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